『サンダーハート』の描くアメリカ先住民スピリットの周縁性

先住民権運動(ARM)派×合衆国政府派×FBI@アメリカ先住民居住地の構図。

「先住民同士のゴタゴタ・殺人事件を解決するFBI!ヒーロー!」

かと思いきや、そう単純でなく、後半はサスペンス的で面白い。

THUNDERHEART Trailer

マイケル・アプテッド監督『サンダーハート/甦る血の絆』。(Thunderheart、1992年、アメリカ)

いや、単なるサスペンスだったら面白くはない。

平日昼間の推理探偵系ではなく、そこにはアメリカ特有の複雑性が。

  • 先住民の父の血を引く若手捜査官レイ
  • ↑(本人は隠したがっているのもポイント)
  • 先住民との関わりで少しずつ「先住民のスピリット」が発露していく

こんな感じで元々、いた「先住」民がおいやられてしまった場所とその資源。

中心ではなく周縁へ。

ところがその周縁をめぐって、汚いやつらがうごめく様子

いつまでたっても世界中どこでも、行われているのだな、と。

特に後半、よくある

「先住民と白人の文化を超えてのロマンス~!」

みたいなものも排除され、絶望感が襲ってくる。

冒頭で、明らかに敵対な感情を育んでいた先住民警部との友情形成も良い。

最後のシーンも良い。

大学学部の頃から興味のあった西部開拓、先住民vs白人、やはり面白い。

 

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