映画研究

『炎のメモリアル』の描く消防士:アメリカ社会の英雄像とその現実

消防士は現代の英雄。 死を顧みず勇気をもって燃え盛る建物に入り、人を助け出す。 中世の騎士道にも通じる。 9.11でトラウマとなったアメリカ社会にとって必要不可欠な存在でもある。 これを描くのが、 ジェ...
映画研究

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の米国の中の英国

デヴィッド・イェーツ監督『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(Fantastic Beasts and Where to Find Them、2016年、イギリス、アメリカ) 『ハリー・ポッター』シリーズを原...
映画研究

『ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち』感染症と信仰心の屈折

クリストファー・スミス監督『ゴッド・オブ・ウォー 導かれし勇者たち』(Black Death、2010年イギリス、ドイツ) 中世主義や新中世主義に関して作品を探していたところ発見した映画。 ショーン・ビーンやエデ...
映画研究

ダニー・ボイル監督『イエスタデイ』が描く異文化融合の前提

ダニー・ボイル監督『イエスタデイ』(Yesterday, イギリス・アメリカ、ワーキング・タイトル・フィルムズ、2019年) イギリスと音楽に関して調べていて出会った映画。 ダニーボイル監督という...
映画研究

『ゴジラ-1.0』があぶりだす日本のトラウマとその救い

山崎貴監督『ゴジラ-1.0』(ゴジラ マイナスワン、GODZILLA MINUS ONE、2023年) 見たいと思っていたのがやっと見れた。 これはもっと早く見るべきだった。 特攻隊で濫用された武士道思想の展開...
映画研究

『アイアンクラッド』における「神の騎士」としての矛盾

ジョナサン・イングリッシュ監督『アイアンクラッド』(Ironclad, 2011) 13世紀のイングランドの雰囲気を描く映像作品を、と思い期待せず視聴したが、これは良かった。 前半から残酷戦闘シーンのオンパレード...
日本

『愛と誠・完結篇』が描く成就しない愛

『愛と誠・完結篇』(1976年公開、監督:南部英夫) 実写化映画3部作の最終。 こちらで2作目の雑感も書きましたが、 1作目:一般人 vs 不良 2作目:不良(スケ番) vs 不良...
映画研究

『続・愛と誠』におけるスポ根とスケ番の敗北

『続・愛と誠』(監督:山根成之、1975年、3.15) ここで第一作の雑感を書きましたが、第二作目の気づいた点を記録です。 引き続き演技の時代を感じますが、色々と学べます。 前回は、主人公誠...
映画研究

山根成之監督『愛と誠』が描く昭和の男性像と女性像

山根成之監督『愛と誠』(1974年) 原作:梶原一騎、作画:ながやす巧。(『週刊少年マガジン』(講談社)1973- 76年連載. 梶原一騎のスポコン世界観や1970年代がどんな感じかを知るために視聴。 正直、演技の...
政治

財政破綻論と「やむにやまれぬ大和魂」の典拠とその真意

財務事務次官(事務トップ)の発言 矢野康治(2021年当時の財務事務次官)は 「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえあると思い...
映画研究

『マイ・プライベート・アイダホ』と90年代アメリカ若者の迷走

大学院時代にジャック・ケルアック『路上』(On the Road, 1957年)を読んだ際の記憶がよみがえてきました。 『路上』では、戦後のアメリカの若者のもやもやを、 車での移動 ジャズ 酒 性 禅...
映画研究

『ヒマラヤ杉に降る雪』における戦後日米摩擦と救済

スコット・ヒックス監督『ヒマラヤ杉に降る雪』(Snow Falling on Cedars, ケネディ/マーシャル・カンパニー、アメリカ、1999年,) 原作:デイヴィッド・グターソン(David Guters...