ジョセフ・E・スティグリッツ『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』で示された日本の危機

『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』徳間書店、2003年
の構成から現在日本の問題点を探る、
  1. 序 最も不透明な機関IMFとアメリカ財務省の偽善
    1. 「情報の欠如」こそ問題
    2. IMFの唱える「必要な痛み」
  2. 1.国際機関が約束したグローバリズムの恩恵
    1. 利点と犠牲と
    2. 何が間違っているのか
    3. IMFと世界銀行の変身
    4. 「ワシントン・コンセンサス」の台頭
    5. 「世界政府の無い世界統括」
  3. 2.破られた約束
    1. エチオピア、権力政治と貧困との戦い
    2. これは形を変えた「植民地支配」か
    3. スタンダードな競争モデルの押し付け
    4. ボツワナの抵抗と成功
    5. 韓国の沈黙と恐れ
    6. がんじがらめの融資条件
    7. IMFの矛盾する姿勢
    8. 「当事者国を運転席に座らせよう」
  4. 3.民営化・自由化の罠
    1. 民営化がもたらす雇用破壊と衰退
    2. 自由化のダブル・スタンダード
    3. 中国のWTO加盟交渉
    4. 金融自由化の苦い教訓
    5. 外国投資の役割
    6. 「オランダ病」のメカニズム
    7. 順序とペース
    8. ウガンダの信念
    9. トリックル・ダウン経済学
    10. 優先事項と戦略
    11. 「貧困層の声」
    12. 自ら選択する権利
  5. 4.東アジアの危機:大国の利益のための「構造改革」
    1. 危機の二つのパターン
    2. IMFが求めた「構造改革」
    3. 東アジアの「血気」
    4. アメリカ財務省の勝利
    5. 最初の誤り
    6. フーバー流節約主義/現代世界の常識から外れた縮小政策
    7. 「自分に損をさせて得をする」政策
    8. つぶされた日本の救済案
    9. 第二の誤り/ 見当ちがいの再構築
    10. 「合成の誤謬」
    11. 企業の再構築
    12. 最も重大な誤り/ 社会的、政治的な大混乱の要因
    13. 痛みに耐えても状況はよくならない
    14. マレーシアと中国の独自路線
    15. 韓国、タイ、インドネシア
    16. 将来への影響
    17. 誤りをおかした理由
    18. 完全雇用を維持せよ
  6. 5.誰がロシアを捨てたのか?
    1. ロシアの直面した問題
    2. 「ショック療法」か「漸進」か
    3. 「改革」の顛末
    4. 1998年の危機
    5. 緊急支援の失敗
    6. ロシアの不健全さ
    7. 貧困と不平等の拡大
    8. 競争こそ重要
    9. インフレの抑制
    10. 民営化の利益
    11. 社会への信頼
    12. 急いてはことを仕損じる
    13. ロシアを誰が見捨てたか
  7. 6.アメリカを守る不公正な「公正」取引法
    1. メディアの批判を抑えたアメリカ経済
    2. ウォール街の関心
    3. アルミニウム事件
    4. 売りに出された国家安全保障
    5. ロシアにとっての教訓
  8. 7.「中国の成功」と「ロシアの失敗」
    1. 中国の成功
    2. ロシアとの違い
    3. 「国内産」の戦略
    4. 未来への道
    5. ジョージ・ソロスの示したこと
    6. 民主主義の説明責任
  9. 8.収奪者たちの論理
    1. 失われた一貫性
    2. 投機家の懐をうるおわせたIMF
    3. 貿易赤字が問題になるとき
    4. 破産とモラル・ハザード
    5. 救済(ベールアウト)から取り込み(ベールイン)へ
    6. 攻撃は最大の防御/ 「最後の貸し手」としてのIMF
    7. 金融界とのつながり
    8. 債権者に都合のよい政策
    9. 責任転嫁
  10. 9.世界を幸せにするグローバリズムの道
    1. 自由貿易をすべてに優先させるWTO
    2. 政府の役割とは何か
    3. 国際公共機関の必要性
    4. ガバナンスの変革
    5. 透明性を高める
    6. IMFの改革
    7. 国際金融システムの欠陥
    8. 必要な7大改革
    9. 世界銀行の改革
    10. 責務免除
    11. WTOの改革と不公平な貿易政策の是正
    12. 人間的な顔をもったグローバリゼーションに向けて
  11. 【解説】スティグリッツ経済学への共感(リチャード・クー)
    1. 経済学への流行がある
    2. 日本の特殊性がIMFの政策を変えた
    3. 順序を間違えた改革は経済の破壊をもたらす
    4. 「小泉改革」も市場原理主義によるショック療法の一種

序 最も不透明な機関IMFとアメリカ財務省の偽善

「情報の欠如」こそ問題

IMFの唱える「必要な痛み」

1.国際機関が約束したグローバリズムの恩恵

利点と犠牲と

「発展途上世界の多くの人びとにとって、工場で働くことは農村にとどまって米を栽培するよりもずっと望ましい選択肢なのである」(p.21)

何が間違っているのか

IMFと世界銀行の変身

「ワシントン・コンセンサス」の台頭

「世界政府の無い世界統括」

2.破られた約束

エチオピア、権力政治と貧困との戦い

これは形を変えた「植民地支配」か

スタンダードな競争モデルの押し付け

ボツワナの抵抗と成功

韓国の沈黙と恐れ

がんじがらめの融資条件

IMFの矛盾する姿勢

「当事者国を運転席に座らせよう」

3.民営化・自由化の罠

民営化がもたらす雇用破壊と衰退

自由化のダブル・スタンダード

中国のWTO加盟交渉

金融自由化の苦い教訓

外国投資の役割

「オランダ病」のメカニズム

順序とペース

ウガンダの信念

トリックル・ダウン経済学

優先事項と戦略

「貧困層の声」

自ら選択する権利

4.東アジアの危機:大国の利益のための「構造改革」

危機の二つのパターン

IMFが求めた「構造改革」

東アジアの「血気」

アメリカ財務省の勝利

最初の誤り

フーバー流節約主義/現代世界の常識から外れた縮小政策

「自分に損をさせて得をする」政策

つぶされた日本の救済案

第二の誤り/ 見当ちがいの再構築

「合成の誤謬」

企業の再構築

最も重大な誤り/ 社会的、政治的な大混乱の要因

痛みに耐えても状況はよくならない

マレーシアと中国の独自路線

韓国、タイ、インドネシア

将来への影響

誤りをおかした理由

完全雇用を維持せよ

5.誰がロシアを捨てたのか?

ロシアの直面した問題

「ショック療法」か「漸進」か

「改革」の顛末

1998年の危機

緊急支援の失敗

ロシアの不健全さ

貧困と不平等の拡大

競争こそ重要

インフレの抑制

民営化の利益

社会への信頼

急いてはことを仕損じる

ロシアを誰が見捨てたか

6.アメリカを守る不公正な「公正」取引法

メディアの批判を抑えたアメリカ経済

ウォール街の関心

アルミニウム事件

売りに出された国家安全保障

ロシアにとっての教訓

7.「中国の成功」と「ロシアの失敗」

中国の成功

ロシアとの違い

「国内産」の戦略

未来への道

ジョージ・ソロスの示したこと

民主主義の説明責任

8.収奪者たちの論理

失われた一貫性

投機家の懐をうるおわせたIMF

貿易赤字が問題になるとき

破産とモラル・ハザード

救済(ベールアウト)から取り込み(ベールイン)へ

攻撃は最大の防御/ 「最後の貸し手」としてのIMF

金融界とのつながり

債権者に都合のよい政策

責任転嫁

9.世界を幸せにするグローバリズムの道

自由貿易をすべてに優先させるWTO

政府の役割とは何か

国際公共機関の必要性

ガバナンスの変革

透明性を高める

IMFの改革

国際金融システムの欠陥

必要な7大改革

世界銀行の改革

責務免除

WTOの改革と不公平な貿易政策の是正

人間的な顔をもったグローバリゼーションに向けて

【解説】スティグリッツ経済学への共感(リチャード・クー)

 

経済学への流行がある

日本の特殊性がIMFの政策を変えた

順序を間違えた改革は経済の破壊をもたらす

「小泉改革」も市場原理主義によるショック療法の一種

「スティグリッツ教授は、日本経済についてほとんど言及していないが、実は『早く不良債権を処理して、腐った企業を淘汰し、解雇すべきものは解雇しろ』という市場原理主義によるショック療法の弊害は、残念ながらいまの日本にぴったりあてはまる。」(p.387)

 

  • 国際機関が善ではない
  • 一部の利益のために国際機関が動く
  • 過去を見て間違いを修正できない

 

以上を読み解ける。

2023年の現在が既に2000年前後に予想されていた。

コメント