日本語で英語を学びたい
大学は閉ざされた世界で教員が好き勝手やってる
そんなイメージではないでしょうか。
そうでもないのです。一応サービスは意識しています。
その例の一つに
授業評価アンケート
なるものがあります。多くの教員が恐れます。
その恐れのあまり
「授業アンケートなんて無駄。見ないでそのままシュレッダーいきです」
↑
こんな驚愕の教員も。確かに匿名のアンケートは消耗する。見なければ精神的に事なかれ。ただ授業を受けている側の本音の宝庫。応えようとすることで、教員側が学ぶこともある。応え「過ぎ」、「甘え」、「迎合」には注意。— ちー | 洋楽100曲投稿チャレンジ中 (@chiharu_samurai) July 10, 2020
こんな教員がいるのも事実です。
そんな恐怖のアンケートで実際に書かれたコメントを紹介します。
「英語は日本語で説明してほしい」
授業の運営など全て英語でやっていた時にあったコメントです。
授業以外の時間も全部英語で対応していました。
英語は英語で学ぶべき?
「英語は英語で学ぼう!」
「英語は英語で教えるべき」
みたいな風潮があります。
私もこれに完全に影響され、
「英語の授業は英語でやらないと(焦)」
と思っていました。
しかし、これは一部を除きあまり意味ありません。
大学生であっても大体
「?」
というリアクションです。しらけてるのです。
授業は教員のプレゼンの場じゃない
「英語は英語で!」という教員側の気持ちは大切です。
「魅せる」意識は有効です。
私はいつもプレゼンする「気持ち」で授業に向かいます。
しかし、英語の授業では注意です。
プレゼンする気持ちが「英語でやる」に向かないほうが良いです。
教員同士の会議や研究発表でやりましょう。
(そちらの方をやるべきですね・・・。)
(なぜ自分たちができない英語を若者に押し付けるのでしょうか・・・。)
授業では学生が学ぶ場です。
教員のスキルを見せつける場ではないのです。
時には
- 適切な発音
- スムーズな単語の繋がり
以上を示すことは必要です。
ただ、全て英語でやっても効果は薄いです。
「お経を聞いているだけ」
とアンケートに書かれたこともありました。
教員:「よし英語でやってやろう! 私の英語はどうだ!」
学生:「(お経・・・。)」
まさに意味のない音が耳に入ってくるだけです。
学生にとっては意味のない時間が過ぎ去るだけです。
「英語は聞き流して!」
↑意味ないです。
フランス語でフランス語を学んだ時
イギリス留学中フランス語の選択がありました。
大学でフランス語を学んでいたので
「自分は中級かな」
と中級のクラスに行った時です。
全部フランス語で行われていました。
何を言っているかわからず初級のクラス(英語で運営)に変更しました・・・。
たとえば必修で、選択できない英語のクラスだったら苦痛です。
理解できる言語で説明を
- 意味理解ができる日本語で説明
- 「それではここを英語で」という指示
- 学生の使った英語を日本語で修正
これで狙った英文をしっかり・的確に練習すればよいです。
- 英語を使うのは教員でない
- 英語を使うのは学生
独りよがりな授業にならないよう、以上を理解すると良いです。
「英語は英語で学ぼう」
は、薄っぺらななんかやってる感、しか得られません。
「英語を英語で」授業は、この条件じゃないと効果薄い
TOEIC 700-800
このレベルであれば、英語でやっても良いでしょう。
指示も理解でき、ある程度説明も理解できます。
それに対する答えも可能です。
「英語が好き」の意識がある
逆に少しでも
「苦手」
「難しい」
など意識があると気持ちはその授業から離れていきます。
例外:純粋で何からも学んでくれる学生
ただ、30人に1~2人、
「英語で授業を受けることで聞けるようになった気がします」
とコメントをくれることがあります。
この少数意見のために英語で強行するという選択肢もあります。
例外:自分のため
- 自分の英語レベルアップのため
- 度胸付け
- 就活のための実績づくり
こういう教員の一方的な目的達成の意味はあります。
大学生のレベル(英語系学科)
数字で表すと具体的です。
とある大学で、入学時~3年生のクラス分けでTOEICを課していたことがあります。
その結果をもとに学生のTOEICスコアの平均はこんな感じです
1年生:300-400
2年生:350-450
3年生:400-500
もちろん
- とびぬけている学生
- 受験中寝る学生
など様々ですが、多くの学生はこのレベルにいます。
このような学生に全て英語でやっても効果は薄いです。
(教員の英語がカタカナぶつ切り英語の場合は、逆に理解してくれるかも・・・。)
じゃどうすれば?
英語を英語でやる前に、英語自体の練習です。
練習の意義については
ぜひこちらをご覧ください。
具体的な練習方法についてですがまずは
こちらでリピーティングを。
そして
こちらでディクテーションをしてください。
冨田三穂先生のこちらの本を読むと、「練習」がいかに大切かが良くわかります。
まとめ:英語授業は日本語で!
偉い人や文科省から「英語は英語で!」と要求があったら
- 大人の対応をしつつ
- 日本語で英語を教える
という感じにしましょう。日本の英語教育のためです。
政治的なことも考えると、英語が苦手なことは良いことなんです。
「英語を公用化!」
「小学校から英語を!」
なんてのは自ら植民地になろうとしている行為でもあります。
これに関しては
施光久恒『英語化は愚民化:日本の国力が地に落ちる』第1章から見る日本の政治の軽薄さ
永井忠孝『英語の害毒』が示す日本の英語教育の愚かさ
こういうことも書いてますので、ぜひご覧ください。
まっとうな英語教育を!
薄っぺらアクティブラーニングにならないよう!
英語が苦手でも生活できることは幸せなこと。
これが前提で、英語を学ぶ際は、異文化理解につながることを何か言語を学ぶ行為は、気を付けましょう!
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